内容証明郵便の書き方・作り方・出し方


(1)用紙
 
 特に専用の用紙が決まっているわけではありませんので、便箋やレポート用紙、原稿用紙などでも大丈夫です。手書きの場合、文房具屋さんなどで市販されている内容証明書用紙を使うことも多いようですが、プロの法律家である弁護士や行政書士などは、ほとんどパソコン・ワープロで内容証明を作っています(市販用紙は、赤いマス目の用紙ですが、制限文字数に合わせて線が引いてあるので便利ではあります)。

(2)書式

縦書きの場合
  1行20字以内、1ページ26行以内

横書きの場合(①~③のいずれか)
 ①1行20字以内、1ページ26行以内  ②1行26字以内、1ページ20行以内  ③1行13字以内、1ページ40行以内


・つまり、1ページに書ける総字数は520字以内となります。
・「以内」ですから、例えば、1行10字でも書き込み可能です。
・もちろん、長文になれば、ページは2枚、3枚となってもかまいません。枚数は無制限ということです(ただし、1枚増えるごとに料金が加算されます)。
・2枚以上になる場合には、ホチキスや糊で綴じて、ページのつなぎめに契印(割印)を押します。これは差し替えや抜き取りを防止するためです。契印(割印)を押す際は、署名(記名)の下(横書きの場合は横)に押した印鑑と同じものを使用します。印鑑は認印でもかまいません。
・内容証明郵便は、同じ内容の文書を最低3通(コピー可)作る必要があります。(1)相手に郵送する用(2)郵便局の保管用(3)自分の控え、の3通です。なお、同じ内容の文書を複数の相手に送る場合には、「相手方の人数+2通」が必要となります。


(3)使用できる文字

仮名(ひらがな及びカタカナ)
漢字 ※日本語として使用する場合のみ
数字(算用数字、漢数字) ※壱弐参・・・も使えます
英字(ただし、使用できるのは商品名や地名、氏名や会社名などの固有名詞に限られます
記号(一般的に記号として使用されているもの) ※例→ +、-、=、%、・、?、!など
括弧(カッコ) ※1ペアで1字とカウントします ※例→ 「」で1字、()で1字
句読点(。、)
各種単位 ※例→ m(1字)、㎡(2字)、㎞(2字)など
略語(何を表しているのかが誰が見てもわかるもの) ※例→ TEL(3字)など

 注意 
・①、(1)など、丸で囲まれた数字や括弧付きの数字は、文中の順序を示す記号として認められる場合は1字として、それ以外は2字としてカウントします。
・内容証明は、絵・図表などを使うことはできません。また、文章以外の資料・証拠などを添付することもできません。


(4)文書の中身

①表題
 文書につけるタイトルのことです。タイトルが無くても内容証明郵便自体に問題はないのですが、多くの場合、「通知書」「通告書」「請求書」「催告書」「督促状」「警告書」「回答書」などのタイトルがつけられています(他にも色々なバリエーションがあります)。内容証明郵便の主旨がわかるようなタイトルをつけるのがベストです(わかりにくいタイトルをつけてしまうと、変な誤解を招くことも有り得るからです)。

②前文・後文
 普通の手紙では、時候のあいさつなどがありますが、内容証明では、省略されることがほとんどです。しかし、受取人に悪い感情を抱かせたくないとき、なるべく関係を悪化させたくないときなどは、タイトルを省略し、あいさつ文を入れて、全体的に優しく丁寧な感じの文章に仕上げるのがよいでしょう。

③本文

 事実関係    主張    要求

という流れで書きます。 ※あくまで一般的な流れです。


事実・権利関係は正確に書く。

 どのような事実・権利関係が存在したか(存在しているのか)をしっかり把握し、正確に書かなければなりません。十分な調査・確認を要します。内容証明郵便で出す文書は強力な証拠となるので、誤った事実や内容が書いてあると、後々不利に働きかねません。十分な注意が必要です。 

余計なことは書かない。
 余計なことが書いてあると、相手から揚げ足を取られて、不利な立場になってしまうことがあります。くれぐれも注意しましょう。

簡潔・明確に書く。
・できるだけ簡潔・明確に書く必要があります。曖昧な表現や不正確な表現になっていると、やはり相手から揚げ足を取られてしまうことにもなりかねません。
・相手が読んでも理解できないような文章では、結局、要求しても実行されないという結果になってしまいます。
・「何をどうしてほしいのか」を明確に書く必要があります。
・例えば、貸したお金の返済を請求する場合(返済期日を過ぎているケース)には、いついつ(貸付年月日)、いくら(貸付金額)、どのような条件(返済期日、利息、遅延損害金など)でお金を貸したのかをはっきり明確に書かなければなりません。そして、いつまでに(本書面到達後○日以内に、など)、どのような方法(現金にて、振り込みにて、など)で、返済してほしいか、などを書きます。

法律的な根拠を調べる。
 何の根拠もないと、単なる言いがかりになってしまいます。法律的な根拠を知り、自分の立場を把握することは、内容証明を作成するうえでとても大事なことです。

④年月日
 必ずしも必要ではありませんが、一般的には、差出日又は作成日を書きます。もし書くのを忘れたとしても受け付けてもらえますし、郵便局で押される通信日付印によって差出日が証明されます。多くの場合、本文の後に書きます。

⑤差出人・受取人
・差出人と受取人の住所・氏名を書きます。そして、差出人の氏名の下(横書きの場合は横)に捺印(押印)します。印鑑は認印でもかまいません。
・表題(タイトル)に合わせて「通知人 ○○ ○○」「被通知人 ○○ ○○」などの肩書を書いてもよいです。
・一般的には、本文の後に書くことが多いのですが、人によっては文書の最初に書くこともあります。また、受取人の記載のみを最初に書き、最後に差出人を記載する書き方もあります。
・代理人によって内容証明を出す場合には、代理人の住所・氏名を書き、代理人の印鑑を押します。なお、ページが複数になったときに押す契印(割印)も代理人の印鑑を押します。 ※本人と代理人の両者を連記する場合には、本人の捺印(押印)は必要ありません。

内容証明書の基本(ELAの法則)・・・E:Evidence 証拠  L:Law 法律  A:Action 行動


 注意
 文字の削除・訂正について
①削除・訂正する箇所の文字に、二本線を引いて消します。塗りつぶしてはいけません(消した部分を読めるようにしておかなければならないからです)。
②消した箇所のわきに、正しい文字を書き入れます。縦書きの場合は右か左、横書きの場合は上か下です。
③縦書きの場合は消した箇所の上か下、横書きの場合は消した箇所の右か左の欄外に、削除・訂正した説明を書き入れて捺印(押印)します。 

 ※削除の例 →  1字削除㊞   (適当な余白に書くときは、「○行目○字削除㊞」とします)
 ※訂正の例 →  2字削除2字加入㊞  2字削除3字加入㊞   (適当な余白に書くときは、「○行目○字削除○字加入㊞」とします)
 ※挿入するときは、挿入する箇所に記号(Vなど)を使って文字を挿入します。 
   挿入の例 →  3字加入㊞   (適当な余白に書くときは、「○行目○字加入㊞」とします)
     
 
(5)郵送方法(出し方)
 
①内容証明郵便を取り扱う郵便局へ行きます。
・通常は、本局と呼ばれる大きな郵便局で取り扱っています。小さな郵便局では内容証明郵便を取り扱っていません。事前に確認しましょう。
・内容証明郵便を取り扱っている郵便局であれば、差出人や受取人の住所などに関係なく発送ができます。
・持参する物は、内容証明書3通封筒1通(封のしてないもの)です。※いずれも相手が1人の場合です。例えば、送る相手が2人の場合は、内容証明書4通と封筒2通となります。
・字数計算に誤りがあったときなど不測の事態に備えて、印鑑(内容証明書に押した印鑑)を持っていくのがよいでしょう。
・本人でなくても、代わりの人でも出すことができます。

 
注意
 持参する封筒には、内容証明書に記載したとおりの相手の住所と宛名を書かなければなりません。例えば、内容証明書内に「三丁目四番五号」と書いたら、封筒にも同様に書かなければなりません。「3-4-5」と書いても認められません。


②「配達証明付きの内容証明郵便でお願いします」と伝えます。
 内容証明郵便は、「誰が、いつ、どんな内容の手紙を、誰宛てに送ったのか」ということを証明するものですが、「実際にいつ相手に届いたのか」という証明はなされません。「実際にいつ相手に届いたのか」を証明するためには、配達証明を付ける必要があります。
 ※意思表示は、原則としてそれが「相手方に到達した時に効力を生じる」とされています(到達主義の原則、民法97条1項)。
 ※必ず配達証明を付けましょう。もし、うっかりして付け忘れたときは、差出後に付けるようにしましょう(差出後1年以内であれば可能ですが、配 達証明料が通常より高くなります)。

③局員が文字数などをチェックした後、郵便局の認証印などを押して、封筒と内容証明書1通(相手に送るもの)を返してくれます。

④この1通を封筒の中に入れて糊付けをして、再び窓口に出します。

⑤所定の料金(1枚の場合は配達証明付で1,220円)を支払い、自分の控えを受け取り完了です。
 

 料金について(平成18年10月現在)
 手紙1枚を相手1人に定型封筒で出す場合の標準的料金(配達証明付内容証明郵便

 内容証明料・・・・・・・・・・・・・・・420円
 書留料金・・・・・・・・・・・・・・・・・420円
 普通郵便料金(25gまで)・・・・・ 80円
 配達証明料・・・・・・・・・・・・・・・300円        
 合計・・・・・・・・・・・・・・・・・・1,220円

・内容証明料は、手紙(内容証明書)が1枚増えるごとに250円が加算されます。
・速達(270円)や配達日指定(30円、日曜・休日は200円)なども付けることができます。

 

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