相続問題

遺留分減殺請求をする

遺留分とは、配偶者や子などの相続人の最低限守られるべき遺産に対する持分のことです。被相続人(亡くなった人)の兄弟姉妹には遺留分はありません(民法1028条)。

遺留分が侵害されたとき、つまり生前贈与や遺贈又は遺留分に反する遺言などにより、自分の受け取る額が遺留分に達しないときは、受遺者や受贈者に請求して不足分を取り戻すことができます。

(遺留分の帰属及びその割合)
民法第1028条 兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。
一 直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の3分の1
二 前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の2分の1

遺留分を侵害された権利者が、権利を主張することによって、遺留分は守られることになります。この権利を「遺留分減殺請求権」と言います(民法1031条)。

(遺贈又は贈与の減殺請求)
民法第1031条 遺留分権利者及びその承継人は、遺留分を保全するのに必要な限度で、遺贈及び前条に規定する贈与の減殺を請求することができる。

遺留分減殺請求権を行使するかどうかは自由ですが、この権利は遺留分侵害があったことを知った時から1年で時効により消滅し、相続開始の時から10年が経過すると行使できなくなります(民法1042条)。

(減殺請求権の期間の制限)
民法第1042条 減殺の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から10年を経過したときも、同様とする。

遺留分減殺請求権は、遺留分侵害者に対して意思表示をすることで行使しますが、時効のことも考え、内容証明で出すべきです。

 

相続回復請求権を行使する

相続欠格者、廃除された者、その他相続権を全く有しない者などの、いわゆる「表見相続人」が自ら相続人だと僭称(せんしょう)して相続財産を管理、占有している場合に、真正の相続人が自己の相続権を主張して表見相続人に対する侵害の廃除を請求することにより、真正相続人に相続権を回復させようとする制度です。この請求できる権利を相続回復請求権と言います。

相続人は相続が開始すると、被相続人(亡くなった人)の財産に属した一切の権利・義務を承継します。しかし、必ずしも相続財産の現実の占有・支配をともないません。真正な相続人でない者(表見相続人)が相続財産を占有・支配していることがあるのです。

(相続回復請求権)
民法第884条 相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から20年を経過したときも、同様とする。

表見相続人(僭称相続人)とされる例
・相続欠格者にあたる相続人
・被相続人により廃除された者
・虚偽の出生届による、いわゆる「藁の上からの養子」
・無効な養子縁組で戸籍上養子となっている者
・虚偽の認知届で子となっている者
など

共同相続人の一人が、他の相続人の持分に相当する遺産を占有・管理している場合には、相続回復請求権は問題とならず、相続権を侵害された相続人は、「所有権に基づく返還請求」をすることになります。

 

その他の内容証明活用例

遺産分割協議の申入書

遺贈放棄通知書

相続人から譲渡された相続分を取り戻すための請求書

遺言執行者の指定があった場合の通知書

など

 

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