少額訴訟で解決

少額訴訟とは?

少額訴訟とは、弁護士に依頼せず、費用も低額で、短期間に紛争を解決することができ、しかも簡単な手続きで訴訟を起こせる制度です。「簡単・安い・早い」が少額訴訟の特色です。うまく活用できれば迅速な債権回収(お金を払ってもらう)が可能です。

内容証明郵便を出しても解決できない場合には、少額訴訟を検討してみるのも一つの手かもしれません。

契約書・借用書等の証拠がない場合には、少額訴訟の前に内容証明郵便を出したりして、なんらかの「証拠を作っておく」ということも、少額訴訟で勝利するためには必要となります。

少額訴訟の対象となるケースとしては、貸金の請求、家賃地代の請求、敷金の返還請求、売掛金(売買代金)の請求、請負代金工事代金の請求、飲食代金の請求、賃金の請求、交通事故(特に物損の場合)の損害賠償請求などがあります。

少額訴訟のメリットは、「簡単・安い・早い」という点です。

少額訴訟のデメリットとして、対象が60万円以下の金銭請求事件に限定されている、複雑な事件にはなじまない、という点があげられます。

対象となる事件は・・・60万円以下の金銭を請求する事件
・利息や損害金の上乗せ請求は、上限である60万円には含まれない
・例えば、100万円の売買代金を請求できる場合、単に60万円だけを請求することもできる。また、60万円と40万円を別々の機会に請求することもできる(ただし、分割して請求する場合には、100万円のうち60万円の請求であることを明確にして請求しないと、残りの40万円については、別の機会に訴訟を起こすことができなくなってしまう)。
・建物の明渡請求や権利義務関係の訴えなどは通常訴訟となる

訴える裁判所は・・・
・(原則)相手方(訴えられる側)の住所地を管轄する簡易裁判所
・合意ができれば合意した簡易裁判所
・(例外)「貸金請求訴訟」は債権者の住所地の簡易裁判所に、「不法行為による損害賠償請求訴訟」は不法行為が行われた土地の簡易裁判所に、訴訟を起こすことができます。 

審理の手続きは・・・
・原則として1日で終了し即日判決が言い渡される
・「特別の事情」がある場合は、期日をもう1回行えることになっている(予定していた証人が出廷できなくなった場合など)
・1日で終えることのできない複雑な事件については、裁判官や被告が、通常訴訟へ移行させる可能性が高い

利用回数の制限は・・・
・同一裁判所において年10回まで
・訴状に回数を記載する

証拠調べの制限は・・・
・その日のうちに調べられるものに限定
証人も法廷に出廷している者に限定
・内容証明・契約書・領収証などの文書を証拠とする場合、原本の取調べをすることになるので、訴訟の期日にはコピーではなく原本を持参することになる

判決に不服のときは・・・
・控訴や上告はできない
・判決をした裁判所に異議を申し立てられる通常訴訟へ移行
・特別上告(判決に憲法の解釈の誤りがあること、その他憲法違反があることを理由とするときに限って、最高裁判所に不服の申立てを行うことができる制度)は可能

 

簡単に少額訴訟が起こせます

簡易裁判所の相談窓口
・手続き案内のビデオ 
・流れを説明したリーフレット
・電話やファックスによる相談も受け付けている

   ↓

相談用紙に記入
・相談員の指導

   ↓

訴状の作成
・定型訴状が置いてある
・記入要領の説明も受けられる

   ↓

訴状を提出し、訴訟費用(印紙代・切手代)を支払う
・訴状提出と同時に訴訟費用を支払う
・内容証明・契約書・請求書などの証拠も一緒に提出する

   ↓

裁判所から呼出状が送られてくる
・出廷期日が指定される
・訴状提出からおおよそ2週間後に届く

 

訴訟の期日に、相手方(被告)が答弁書を提出しないで欠席した場合、訴えた側(原告)が主張したとおりの事実を認定した判決(勝訴判決)の言渡しがなされます。答弁書を提出している場合には、原告から提出・申請された証拠の取調べを行い、原則として、即日、判決の言渡しがなされます。

被告が出廷し、少額訴訟が開始となったとき、まず、「少額訴訟手続きでいいかどうか」の確認がされます。被告が同意しない場合、通常訴訟へ移行します。

少額訴訟では、請求の内容を認める判決がなされると、その判決には必ず仮執行宣言が付されます。つまり、判決の言渡しがあれば、すぐに強制執行ができるようになります(ただし、別途手続きが必要です)。

少額訴訟の判決では、通常訴訟の判決と違い、被告の資力その他の事情を考慮し、特に必要がある場合には、分割払い支払いの猶予、又は遅延損害金の免除の判決を言い渡すことができることになっています。ただし、支払いの猶予や分割払いの期間は3年を超えることができません。また、遅延損害金の免除については、定められた分割払いの期日に遅滞なく支払いを続けた場合にのみ認められます。

分割払いや支払いを猶予する方法によって訴訟を終了させるには、和解という方法も認められています。和解が成立する場合には、裁判所が和解調書という書面を作成します。和解が成立したにもかかわらず、相手方が和解の内容に違反して金銭の支払いをしない場合には、強制執行ができます。支払いの実行性を確保するという意味では、和解も判決と同じ効力があります。

和解の場合、当事者双方が合意して和解内容を決めていますので、判決の場合よりも相手方が任意に履行する(支払いをする)可能性が高いと言えます。

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少額訴訟の費用

収入印紙代(手数料)郵便切手代が必要になります。

印紙代は、訴額(請求する額)によって段階的に決められています。例えば、30万円を請求する場合は3,000円、60万円を請求する場合は6,000円の印紙代がかかります。

切手代は、相手が1人の場合は3,910円です。相手が2人以上の場合、1人増えるごとに2,100円が加算されます。

例えば、30万円を請求する少額訴訟を起こす場合、合計で6,910円が必要になります。

訴訟費用が低額であることも少額訴訟の大きなメリットの一つです。

 

少額訴訟に向かないケース(注意点)

相手が少額訴訟を希望しない場合→通常の簡易裁判所の訴訟事件(通常訴訟)へ移行

相手の所在が不明の場合
 通常の訴訟では、相手方(被告)の所在が不明の場合は、「公示送達」という方法で訴訟を起こすことができます。しかし、少額訴訟の場合は、公示送達によらなければ呼出しができない場合には、通常訴訟へ移行されることになっています(少額訴訟の場合、制度として公示送達ができないようになっています)。

事件が複雑で争点が多岐にわたる場合など
 裁判所が申し立てた事件について、少額訴訟において審理・裁判をするのを相当でないと認めるときは、通常訴訟へ移行されます。例えば、事件が複雑で簡略な審理を行う少額訴訟になじまない場合、尋問を必要とする証人が多数いる場合、鑑定や現場検証を必要とする場合などです。

勝訴しても採算がとれない場合
 鑑定を必要とする事件は、基本的に事件そのものが複雑で、請求金額も高額であることが多いです。また、専門分野に対する知識・理解が必要となってきます。さらに鑑定費用は、鑑定を申請する当事者が予納し、最終的には敗訴した者が負担することになりますが、鑑定費用はかなり高額です。したがって、鑑定を必要とする事件は少額訴訟になじまない事件と言えますし、少額訴訟で鑑定を行っても、採算がとれない結果となります。

 

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